女性職人がいきいきと働く、魅力あふれる「日乃本帆布」

申請者情報

企業
株式会社 三香堂
米沢市門東町2-8-19
茶原 克之
茶原 克之
手塚 麗羅
0238-22-2661
sankodo@sankodo-sac.jp

AWARD申請内容

:二次審査中


:サービス

受賞を目指す産品やサービスの名称
女性職人がいきいきと働く、魅力あふれる「日乃本帆布」



ミシンを踏む女性職人


申請する商品やサービス等の概要
 弊社は、1985年創業、帆布鞄の製造・販売を手掛けております。
現在は「日乃本帆布」ブランドの帆布製品の自社製造・販売と卸売を主に、対外的にはOEM生産の承りも行っています。

 米沢の企業・人として、上杉鷹山公に親しんだ私たちは、その堅実さ、実直さ、熱心さを身に沁みさせていました。製造ノウハウを自らの実践と先達の協力で学び、実直にものづくり取り組む姿勢をもって、日々製造に励んでいます。

 その中でも女性職人が多い弊社工房では、上杉鷹山公が築き上げた米沢の精神を受け継ぎながら、女性職人たちが一つ一つの製品に心を込めてものづくりをしています。
米沢の伝統的な技術を受け継ぎながら、日々の仕事に誠実に向き合っています。上杉鷹山公が目指した「質実剛健」の精神は職人たちの手から生まれる一つ一つの鞄に込められています。
帆布の強靭さとデザインの美しさを両立させることで、使う人に長く愛される製品づくりを実現しております。
三香堂で働く女性職人たちは、米沢の歴史と文化を日々の仕事に活かし、上杉鷹山公の理念を現代に引き継いでいます。職人たちの手によって作られる「日乃本帆布」の鞄は、ただの製品ではありません。それは、誠実な努力と共生の精神を具現化した「米沢品質」の象徴だと思っております。


挑戦と創造のストーリー
 創設当初は牛革バッグ工房『牛や』でした。耐久性や風合い、高級感などを考え牛革にこだわって作っていましたが、「革は良い素材とはいえ、扱い方次第でその機能や魅力が失われてしまう。それで本当に”良い鞄”と言えるのだろうか?」。お客様からの貴重な意見を通して、徐々にそう感じるようになっていきました。

 牛革バッグの『牛や』が軌道に乗っているにもかかわらず、自分たちの「鞄作りコンセプト=長く付き合える鞄」に合う素材を改めて探すことに。その中で「資材用”綿”帆布」に出会いました。もともとは帆船(はんせん)の帆(ほ)に使うための布地で、トラックの幌やテントの天幕等の「屋外用」として頑強、軽くて濡れてもこすっても平気な素材で、耐久性や防水面で革のデメリットを克服していました。また、使い込むごとにまるでダメージジーンズのように経年変化し、この「使えば使うほど味わいの増す」点が「長く付き合える鞄」づくりと共感する魅力から、「帆布バッグ作り」に精通していくターニングポイントになっていったのでした。

 実際この素材で鞄を作るのには大変苦労しました。ファッション用の生地より丈夫な分とても硬く、縫いづらいのです。ドイツのシュメッツ社製の五寸釘のように太いミシン針を使っても時々折れてしまうほど。ミシンも専門的なものに変えなければなりませんでしたが、お客様の要望に応えたい一心で迷いはありませんでした。

 帆布はその硬さ故、曲げる際にカナヅチで叩いたり、裁断のために持ち上げたり、ミシンにかけて縫い合わせていく作業で、手の指紋も消えてしまうほど頑丈なものなので、とにかく力仕事が多くなります。通常は男性職人が作り上げますが、「日乃本帆布」は女性職人もその作業を日々こなしています。それでもこの扱いにくく縫いにくい「帆布」をあえて選んだのは、帆布には”綿”素材ならではの温かさやノスタルジックな風合い、天然素材に由来する日本の文化や”日本らしさ”の価値観に触れる魅力があったからです。

 最近では、新型コロナ収束以来、この素材やデザイン由来の”日本らしさ”がインバウンドに訴求し、直営店での販売数を伸ばしています。米沢から東京に進出しより多くの人の目に映る状況となり、認知は広がっていますが、ここから更なる飛躍を目指すために、少しずつ海外へのアピールを増やすべく、現在取り組みを行っています。そして、メイドインジャパンだけでなく、メイドイン米沢でも認知度を広げています。


商品やサービス等の品質の高める工夫
・生地のこだわり 
 弊社で使用している帆布生地は、国産の資材用撥水加工帆布で、頑丈な撥水加工や生地の硬さから鞄の製作が難しいため、一般的に見られるキャンバス生地ではない、専門店ならではの生地と言えます。

・「長く付き合える大人の帆布鞄に仕上げる」
 綿特有の「色落ち」や「後縮み」という弱点を補う特殊洗い加工を施し、独特な質感と扱いやすい特性の両方を備えた弊社オリジナルの帆布です。
渋く時代に流されないこだわりの帆布は、日本ならではの感性が生み出す飽きのこない大人のベーシックです。

・上杉鷹山公時代から受け継がれる手作業文化
 AIや機械化が普及していく昨今では、全て手作業で製品を作ることが少なくなってきている中、弊社では、上杉鷹山公が築き上げた米沢市の伝統を受け継ぎ、職人が全て手作業で鞄を作っております。
職人たちによって、一つ一つ丁寧に裁断を行い、一枚一枚裁断した生地を確認して、合格した生地のみ製造に流されます。縫製では、まさに職人技と言われる技術で鞄を作っています。機械では表現できない、温かみのある職人の技を大切にしています。

・お客様の声を取り入れた製品づくり
 弊社では、お客様の声を最大限に生かし、製品づくりを行っています。3WAYショルダーバッグは、初めは2WAYでハンドとショルダーのみでした。しかし、お客様から「リュックとしても使いたい」という声で、リュック機能を追加し、ハンド、ショルダー、リュックで使える3WAYショルダーバッグと進化していきました。

・女性が活躍
 主婦が多い弊社では、女性がいきいきと働ける環境、子育てしながらでも働きやすい環境づくりを大切にしています。仕事と家庭を両立することで、仕事では製品づくりに専念できて、家庭では子育てに専念できる環境。そして、音楽の流れる工房から「日乃本帆布」の製品はつくられています。


商品やサービス等の独自性・価値
・地元縫製業の中で数少ない厚手生地を取り扱える点。
 自社製品の製造のみならず、地場かその他地域かを問わずOEM受注も承っています。弊社で扱うような、高密度の国内基準(旧JIS規格)の生地を使用する帆布カバン製造社は一般的に、少人数の小規模な工房が多いため、個人向けのカスタムオーダーは受付できても、一定のロット数を伴う生産は困難なため、可能な工場を探しているという声をしばしば伺います。弊社は、日本製の工場として指定できる点や、ものづくりが根付く街である米沢の企業・工場である点、何より自社製品があり品質を評価しやすい点でアドバンテージがあります。

・都内を中心に7店舗、観光地への出店で国内外の旅行客への高い訴求力がある。
 弊社は現在、県外に7店舗の直営店舗を出店中です。東京(4店舗)では、近現代の日本文化が味わえる谷中や秋葉原、また圧倒的な通行人数を誇る東京駅構内や品川プリンスホテル内で。埼玉(2店舗)は、日帰り観光地として絶大な人気の川越と、東北道SAで東京の入口となる大型SAの蓮田(Pasar蓮田)に。直近では、日本有数の景勝地である宮城(1店舗)の松島(松島離宮内)に。新型コロナ収束後は、インバウンドの日本旅行需要の高まりから、これらの観光地への訪問客も増え、売上の6~7割を海外からのお客様に支えていただいております。県外より、米沢発・米沢製を普及する絶好の機会を得たと考えております。

【直営店舗】
・米沢本店
・谷中ぎんざ店(東京)
・秋葉原2k540店(東京)
・東京駅グランスタ丸の内店(東京)
・品川プリンスホテル店(東京)
・Pasar蓮田店(埼玉)
・川越店(埼玉)
・松島離宮店(宮城)


商品やサービス等に対する評価
・購入者のインバウンド
・おもてなしセレクション2023年受賞


情報発信の手段
・自社店舗や関連会社での販売
・自社企業サイトやECサイトでの販売
 →https://hinomotohanpu.com/
・SNS(インスタグラム等)での情報発信
 →https://www.instagram.com/hinomoto_hanpu/?hl=ja
・県内外の百貨店や商業施設でのポップアップ出店
・山形県内でのイベント出店(米沢わっさマルシェ、エスパル山形等)
・県内外の道の駅や高速道路SAでのイベント出店
・東北、山形物産展への出展
・航空会社、空港施設でのプロモーション
・海外ファッション系品評会への出品


評価を活かす仕組みや体制
 2023年おもてなしセレクション受賞をきっかけに、航空会社、空港施設でのプロモーション、海外ファッション系評品会への出品、海外展示会への出品等積極的に参加しています。
その他にも、インバウンドのお客様からのお声で、「うちの国に出店したら絶対売れるよ」という心強いお言葉があり、中国で商標登録、台湾、シンガポール、タイ、で商標登録申請中。
今後は、更なる世界進出を目指し、Beefと言ったらYonezawa Beefのように、日乃本帆布と言ったらメイドイン米沢となる宣伝をしていきます。


今後の計画
・定番商品以外での新規プロダクトの製造。
→ゴルフプレイヤー向けのバッグのシリーズ強化展開、雑貨類の新商品製作。
・国内有数の帆布ブランド保有の西日本での展開(京都・大阪等)
→米沢発の帆布バッグのブランドとして、その実用性・デザイン性を普及する。
・インバウンド向けのプローモーション拡大。
→海外客に人気の宿泊施設や百貨店での展示会やショールーム展示。


米沢への貢献
 まもなく40年を迎える弊社は、時代ごとに多少のファッション性やトレンドを取り入れて製品づくりを行うことはありますが、基本的には「オリーブドラブ(OD)」のカラーの6号撥水帆布生地を頑なに使い続け、定番商品として長年姿を変えない鞄を作りを続けてきました。その40年の積み重ねの中で同じように、「米沢の工場で手作りしている」ことを日々お客様にお伝えしてきました。私たちとしても、米沢の地で製造していることをアイデンティティとして持っており、販売を通じて、「上杉鷹山イズムの根付くものづくりの街」でこの鞄を作っていることを伝え続けています。前述のとおり、弊社は東京や観光地での直営店をもっています。国内旅行のニーズ拡大とともに、これからは対インバウンドに向けて、この出店立地を生かして、米沢のアピールと認知拡大を引続き行っていきます。



現在取り組んでいるSDGsの取り組み<参考>
・アフターフォローで鞄の修理
・ウクライナ緊急募金(日本ユニセフ協会)
・トルコ・シリア大地震自然災害緊急募金(UNHCR協会)
・能登半島地震災害義援金


12.つくる責任つかう責任 16.平和と公正をすべての人に


商品やサービスの画像


モデルと鞄



工房風景(作業中は音楽が流れる)



生地(原反)を運ぶ女性





調査員評価集計結果

問1.秀でた「挑戦と創造」のバックグランドを感じる
そう思うグラフ9
どちらとも言えないグラフ0
そう思わないグラフ0

問2.「優れた品質」や「他にはない価値」を感じる
そう思うグラフ8
どちらとも言えないグラフ1
そう思わないグラフ0

問3.販売・広告活動等優れた取り組みをしている
そう思うグラフ9
どちらとも言えないグラフ0
そう思わないグラフ0

問4.米沢を代表し、米沢ブランドを高める事に貢献しそう
そう思うグラフ9
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そう思わないグラフ0

問5.これからも更なる進化が期待できる
そう思うグラフ9
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そう思わないグラフ0

評価 (5 / 5)

16
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9 コメント作者
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しゃちょう
評価 :
     

日乃本帆布さんの製品は昔から大ファンです!トートバック、3wayバッグ、キーケース、長財布、名刺入れ等少なくとも7種類ほどを持っています!その品質の高さやデザインがよくて、お店に行くたびについつい購入してしまっていますwww
先日工場の中も見せていただく機会がありましたが、本当に女性の方々がいきいきと仕事をされており、このような工場から生み出される商品に新たな価値を感じ、ますますファンとなりました!youtubeでもPR動画もほしい商品があると何回も見てしまいます!今後とも買い続けますので、ぜひ頑張ってください!

RAN

初めは牛革からスタートし、その後帆布鞄に至った経過を初めて知り、「なるほど、そーだったんですね」と納得。そして商品からは女性職人だからこそのセンスや工夫が感じられます。先日東京に行った際、米沢から来たことを話したら「え、米沢。私、日乃本帆布さんのファンなんです!」と熱く語る女性にお会いして、米沢=日乃本帆布さんに結び付くことにびっくりしました。

大魔王様
評価 :
     

まもなく創業40年なんですね。東京丸の内店や川越店にお邪魔した際にお客様の称賛の声を耳にし米沢産であることを誇らしく思ったしだいです。なにより良い品を心を込めて造っていらっしゃること、デザインや耐久性、使い込むほどに風合いがでることがファンの増加につながっているとおもいます。これからも米沢産にこだわって発展されますことを祈念いたします。

株式会社tree

東京の友達が大ファンです!「これ米沢でつくっているんだよ。」で大変びっくりしていました。米沢市民が自慢できる商品クオリティです。作り手さんのプライドがあってこそなのかもしれませんね!

米沢牛が好き

挑戦と想像、素晴らしい取り組みだと思います。あとはデザイン性をもっと高めれば、世界制覇できるでしょう。

HORP
評価 :
     

織物の街米沢だからこその作業風景がここにはあります。皮を扱うことは力のいる仕事かもしれませんが、商品開発や製作の段階も多くの女性が活躍する職場であり、手作業の価値が商品に表れていると思います。商品の魅力も懐かしくも先進的なデザインであり、そして何より実用的なところが素晴らしいです。将来的な発展も楽しみです。

評価 :
     

多くの方から親しまれ、愛される理由がたくさんあるのだと感じました。
長く使える良いものは何歳になっても手を伸ばしたくなります。女性の働きやすさなどに関してもより詳しく知りたくなりました。今後とも米沢だけでなく、たくさんの方に良い製品が届き、日乃本帆布さんのファンがどんどん増えることを楽しみにしております。

鈴木
評価 :
     

女性職人が活躍されている職場というものが大変素晴らしいと思います。最新のトレンドを取り入れながらも、6号撥水帆布生地を使い続けているところにもこだわりを感じました。
原材料や工程等からも非常に難しいものとは思いますが、低価格帯の製品も選択できると良いな~とは思いました。